主な事業活動
日本精米工業会の取組み
精米工場の設計に関する支援
精米工場建設はじめ、工場運営の合理化・適正化、品質管理の高度化等、効率的な工場の実現に向けた取り組みを支援します。
精米工場の診断と技術支援
精米工場の総合的な診断をはじめ、新たな機械・設備の性能試験を行う等、より高度な精米工場の管理・運営の実現を支援します。
精米製品の「安全」と「品質」の確かさを確保
精米は食品です。食品に求められるのは、「安全」と「品質」の確かさです。本会は、この2つの基本となる要素を確保するため、安全は精米HACCP、品質は精米JASに取り組んでいます。具体的にはこちらです。
人材の育成
安全で確かな品質の精米製品を提供するため、精米製造にかかわる人材を育成するため、以下のような研修会・講習会(一部抜粋)を実施しています。
・精米検査研修会(精米検査技術者ライセンス)
・米穀検査技術研修会(米穀検査主任技術者ライセンス)
・米飯食味評価研修会(※米飯食味評価士ライセンス)
・精米工場防虫管理担当者養成研修会
・精米HACCP研修会
・精米JAS品質管理講習会
・精米JAS検査技能講習会
・通信教育(上記に関する7講座)
<米飯食味評価士>
日本工業規格(JIS)官能評価を基に所定の研修を経て試験に合格し、食味試験の適正な評価者と判定され、且つ食味評価の試験方法及び実施方法を習得した者を言います。このうち、上級ライセンスである「上級米飯食味評価士」は1名です。なお、米飯食味評価士を有する会員はこちらになります。
<米飯食味評価適性事業所登録制度>
本会が主催し、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所の技術支援を受け実施する「米飯食味評価精度試験」(会員の米飯食味評価パネルの精度の適正を判定)に合格した事業所に登録証を交付します。
現在の登録事業所はこちらになります。
無洗米の製造条件及び品質の確認判定
「無洗米の製造に関する指導指針」の定めと品質基準確認要領に基づき、会員の無洗米が指導指針及び要領の製造条件と品質基準を満たしているかについて、定期的に第三者の立場で確認判定しています。
SDGsの取り組み
SDGsとは、2015年9月の国連サミットにおいて、グローバルな社会課題を解決して、持続可能な世界を実現するための国際目標として全会一致で採択されたものです。SDGsは17のゴールと169のターゲット(達成基準)から構成されています。これらの目標は、経済・社会・環境に関係する広範囲な課題を網羅しており、豊かさを追求しながら地球環境を守り、「誰一人取り残さない」ことを強調し、2030年までに、人々が人間らしく暮らしていくための社会的基盤を達成することとされています。本会の取り組みはこちらです。
減プラスチックの取り組み
本会、のむら産業株式会社、株式会社TBM3者により、減プラをめざし、石灰石を原料とする株式会社TBM開発のLIMEX(ライメックス)を素材とする精米包装袋を開発しました。その普及を進めています。内容はこちらです。
低炭素社会実現の取り組み
地球温暖化防止の実現に向け、低炭素社会実行計画に取り組んでいます。内容はこちらです。
玄米及び精米の品位・品質分析
米の収穫の秋に、全国の産地・品種の玄米及び精米の品質・品位分析を行い、会員に情報を提供しています。
研究開発
精米工場及び精米製品の高度化につながる課題について研究開発を行っています。
情報発信
会員向け機関誌「精米工業」(年4回発行)及びメールマガジン(月2回)を発行し、技術関連や事業の活動状況等の情報を提供しています。
精米HACCP
概要
近年、「農場から食卓まで」のフードチェーン全体を通じた食品の安全に対する動きが急速に早まり、フードチェーンに関係する全ての事業者がお互いに食品安全のための対応を行わなければならない必要性が高まっています。
本会は、HACCP支援法に基づく指定認定機関であった際に、食品安全と品質管理・衛生管理・食品防御等を取り入れた『精米HACCP規格』を作成し、「精米HACCP認定」の事業を実施(精米HACCP認定規程)しております。
精米工場においては、この「精米HACCP認定」を取得することにより、生産から消費までのフードチェーンを繋ぐ役目、消費者からの信頼が向上される取組みになると考えられます。
本会は、「精米HACCP認定」のためのHACCPプラン作成にあたって事前相談や研修会等を行っておりますので、認定の取得をご検討される方は、お気軽にお問い合わせください。
HACCP認定マーク
精米HACCP認定を取得した場合、製造された精米について『認定マーク表示基準』に基づき”HACCP認定マーク”の表示が可能になります。
精米HACCP認定工場
関連事項
精米JAS
本会は、精米品質の確かさを消費社会に訴求し、広く認識してもらうため、精米のJAS規格化に取り組み、2021年12月に精米JASが制定公布され、翌年1月施行となりました。
精米JASは、炊飯する米として、一定の確かな品質を確保するために必要な基準が定められている精米JAS実現によって、精米の品質が見える化することで、確かな品質を担保する指標として、広く消費社会に貢献できます。
精米JASマーク
精米JASの品質基準を満たす精米の包装容器には下掲のマークを付すことができます。
精米JASの規格等
〇 精米の日本農林規格
〇 精米についての取扱業者の認証の技術的基準
〇 精米についての検査方法
〇 飲食料品及び油脂の格付けの表示の様式及び表示の方法
精米JAS認証工場
精米工業規格
目的
この規格は、精米工場の機械設備、品質検査、工場管理等、精米工場の管理や運用に関するあらゆる面についての考え方の提示、標準化を目的としています。
趣旨
この規格は、精米工場の各種問題点、検討事項に対する考え方の整理や統一、各機械メーカーに対する提案や要望点、工場診断の進め方等、精米工場特有の管理や運用のために特化した規格になります。正会員・精米工場においては、工場運用のガイドブックやハンドブックの位置づけとして活用されております。
構成
精米工場に関連する分野毎に項目を以下のとおり細分化しています。(※以下PDFファイルです )
(平成27年4月1日改訂)
- 表紙及び目次
- 1. 精米工場の機械設備に関する標準
- 1-1 安全衛生に関する標準
- 1-2 性能試験に関する標準
- 2. 精米工場の品質検査に関する標準(①・②・③)
- 3. 精米工場の施設に関する標準
- 4. 精米工場の施工に関する標準
- 5. 精米工場の労働安全に関する標準
- 6. 精米工場の管理システムに関する標準
- 7. 精米工場の工場診断に関する標準
- 8. 精米工場の衛生管理に関する標準
各項目の本文は、できるだけ具体的に容易に理解ができるように表現し、必要であれば試験・研究・調査を実施し、図や写真、データ等を多く掲載して解りやすくしています。
精米工場品質システム(JRQS)
目的
精米工場品質システム(JRQS:Jrma Ricefactory Quality System)は、消費者及び実需者より信頼される精米を提供するため、異物等の混入を防止し、安全・安心な精米を製造するために必要となる、精米工場における組織、体制、製造管理及び品質管理並びに衛生管理等を的確かつ円滑に実施するための具体的な行動や作業等を示し、精米の品質確保を図ることを目的とした規格になります。
要求事項
精米工場は、工場における業務が本規格の目的に適合することを確実にするための手段として、以下の要求事項に基づく品質システム(仕組み)を構築し、その内容を記載した品質マニュアルを作成し、維持し、継続的に改善・改良するよう確立しています。
JRQSの体系
平成26年3月18日改定(JRQS:2014)
- 2.1 品質システムの概要
- 2.2 コンプライアンス(法令等の遵守)
- 2.3 推進体制
- 2.4 基準
- 4.1 原料玄米の品質基準
- 4.2 製品の品質基準
- 2.5 製造工程の管理
- 5.1 製造工程の区分
- 5.2 作業標準の設定
- 5.3 製造設備の管理
- 5.4 異物除去装置の管理基準
- 5.5 省エネルギーの取り組み
- 2.6 検査
- 6.1 原料玄米の品質検査
- 6.2 製品の品質検査
- 6.3 食味の確認
- 6.4 検査機器の管理
- 2.7 精米工場の衛生管理
- 7.1 衛生的環境の保持
- 7.2 有害生物の防除
- 7.3 施設・設備の衛生管理
- 7.4 機械・器具の保守点検
- 7.5 従業員の衛生管理
- 7.6 製品等の衛生的な取扱い
- 2.8 苦情対応
- 2.9 記録の管理
- 2.10 内部監査
- 2.11 教育・訓練